2019年4月22日
author : suigo
HACCPとは何のこと?新しい食品衛生管理を勉強してきました!
こんにちは、千葉県香取市の鶏肉専門店
水郷のとりやさんの須田です。
今年も食品衛生管理講習を開催しました^^
今回は今後日本でも取り入れられる
世界基準の衛生管理手法 HACCP(ハサップ)について学んできました。
これから、少し細かい話になっていくのですが・・・
最初に、伝えたいことを書きます。
私たちのモットーは、
鶏肉や鳥料理を通して、お客様の食卓に笑顔をお届けすること。
そのためには、安全で、安心して食べられて、
作り手の想いが伝わる商品でなければいけないと考えています。
今回は、その「安全」「安心」という部分を、
全ての従業員で、もう一度、共有していこうという勉強会です。
勉強会の内容はこんな感じでした。
2018年6月に製造・加工・調理・販売など食品にかかわる全事業者に対して
新たな衛生管理手法のHACCPを義務化するということを盛り込んだ
『改正食品衛生法案』が衆議院にて可決されました。
法案公布後から2年後の2020年6月から施行されるとみられ、
経過措置期間を経て2021年の6月から義務化が開始するということのようです。
ということは、遅くとも2021年の6月までにHACCPによる衛生管理を行わなければなりません。
結構急ですよね(;^_^A
これは政府が食品衛生のあり方が
現在の様々な環境に対応できなくなってきていると考え、
また、世界的なイベントであるオリンピックにも
世界水準の衛生管理を取り入れたいという意向が見えます。
そんなわけで、4月18日に臨時休業をさせて頂き
小見川の食事処、四季旬彩おおはしを会場にして、
従業員全員でHACCPについての講習を受けてきました。
今回はHACCPに関しての現場コンサルタントを講師としてお招きして
講義をしていただきました。
HACCPの意味と目的
HACCPという言葉は皆様には聞きなれないと思います。
実は1970年代からアメリカでは取り入れられていた食品管理の手法で、
様々な国でも取り入れられているグローバルスタンダードな規格なんです。
日本でも独自の規格を用いて、衛生管理を義務付けてきていましたが、
世界標準の規格を取り入れる必要ができてきたようですね。
HACCPは
- Hazard
- Analysis
- Critical
- Control
- Point
の頭文字をとってHACCPとし、ハサップ、ハセップ、ハシップと読みます。
特に読み方は統一されていないみたいです。
さて、どういう意味かといいますと、
直訳すれば「危機分析最重要制御点」
となり、なんのこっちゃですが、
「衛生管理上大変な問題が起こったとき、
どこでどうやって起こったか分析して、
どう対応するかの手順をしっかり
決めて文章化しておきましょう」
という意訳になります。
手順が全部で12項目あり、そのうちHACCPの要となる7原則というものがあり
文章化して誰でも見たらできるようにする必要があります。
要するに食品加工に関するルールブックのようなものを
作って、実行して、記録して、定期的な確認を行う
ことまでがHACCPの衛生管理です。
7原則12手順とは
1 HACCPチームの編成
HACCPを管理するチームを編成します。
外部の人間(HACCPに詳しいコンサルタント)を
チームに入れることも有効な手段です。
2 製品説明書の作成
原材料や納品してからの流れや作り方、賞味期限、お客様への提供の方法など、
製品の特徴をまとめた資料を作成します。
3 提供する側が誰に提供して、お客様には
どういう風に使ってほしいかを確認する。
製品の用途と対象の消費者(エンドユーザー)の確認を行います。
4 製造工程一覧図の作成
原材料の受け入れから出荷・食事提供までの手順を
工程ごとに書き出した資料を作成します。
5 製造工程一覧図の現場確認
4で作成した工程一覧図が正しいのかということを
実際に現場でヒトやモノの流れを見ながら確認します。
----------ここまでが前準備-----------
原則1 危害要因分析の実施
HACCPでは、食品衛生上、悪影響を与えるような
モノゴト(危害要因)のことをハザードと言い、
各工程ごとに発生し得るハザードを列挙します。
例えば、
「空調の真下で作業をしていると、ホコリが入る可能性がある」みたいな感じです。
原則2 重要管理点(CCP)の決定
原則1で分析したハザードの中から
特に除去・低減すべき重要な工程を決定します。
原則3 管理基準(CL)の設定
原則2で特定したCCPを適切に管理するための
基準(時間、温度等)を設定します。
例えば、
「空調のフィルターはこのグレードのものを使い、
メンテナンスは週1度行う」といったものです。
原則4 モニタリング方法の設定
CCPが正しく管理されているかどうかを適切な頻度で確認し、
記録する方法を設定します。
原則5 改善措置の設定
モニタリングの結果、管理基準で決めたことが
できていないときにする措置を設定します。
原則6 検証方法の設定
HACCPの基準を満たしている管理ができているかどうかを検証し、
修正が必要かどうかを検討します。
原則7 記録と保存方法の設定
記録用紙や記録の保存形態、保存期間などを設定します。
----------ここまでがHACCPの原則----------
ここまで厳しく行うのは、やはりお客様に提供する商品の
安心・安全が一番であるために必要なことです。
この基準を満たす衛生管理を来年6月くらいまでに、
今まであった衛生管理を刷新して新たに作って実行していくためには
従業員全員がしっかり理解しなければいけないのですが、
一番大事なのは
全員で行う
ということです。
HACCPの講義のタイトルが
今のままではいけないの?明日からできる衛生管理
というみんなが思っていることを率直に表していて
HACCPが義務化されると聞いたときは、このタイトルの通り
今のままではいけないの?と思いました。
講義中も、講師の方が何度も
全員でやらないと意味がない、
上から言われて何となくやっても長続きしない
逆に現場の人の意見を上が吸い上げなくても意味がない、
お客様に安全なものを届けるにはみんなで考えよう
と熱く語っていました。
国際基準に沿う基準と手順を明確にすることも大事なのですが、
何のために、誰のために行うのかを「働く人全員」が同じ思いじゃないと
本当の衛生管理はできないなと感じます。
皆が感じていることを、非常にわかりやすくかみ砕いて
説明してくださった講師の方々ありがとうございました。
新たな仕組みづくりは大変かもしれませんが、
水郷のとりやさん全員が一丸となって
お客様に味も安全も誇れるものをお届けできるように頑張ろう!
と改めて決意しました!
これからも、お客様に喜んでもらい、笑顔になってもらえるように、
スタッフ全員で力を合わせて頑張ります!
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